ワセクロに4人のコラムニストが誕生

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ジャーナリズムNGOのワセダクロニクルは、高度な専門知識を持ち、ともにジャーナリズムに貢献する専門家を、コラムニストに委嘱します。2019年2月1日付で、4人の医師がコラムニストに就きました。縦横無尽にこの世界を斬っていきます。

ワセダクロニクルは、今後も様々な領域の専門家たちとの連携を進めていきます。

ジャーナリストという職業は、権力を監視するという特性から国家試験がないだけで、医師や弁護士と同様に専門職と言われています。日本では、ジャーナリズムを担う職能意識や当事者意識の稀薄化が進み、「ジャーナリスト」という肩書きが形骸化してはいないでしょうか。

プロフェッショナリズムはワセダクロニクルのジャーナリズム活動を支える重要な価値(イズム)です。ワセダクロニクルに4人の専門家を迎え入れることで、ワセクロに集ったジャーナリストのプロフェッショナリズムをさらに鍛えていきたいと考えています。

この度、コラムニストに就いたのは、谷本哲也氏、尾崎章彦氏、齋藤宏章氏、山本佳奈氏。4医師とも、医療従事者で構成する特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所のメンバーで、同研究所はワセダクロニクルと共同で製薬データベースを構築し、公開しました。

コラムニストの記事はコラム「二階の硝子窓」で、不定期に掲載します。一風変わったコラム名の出処は梶井基次郎の『檸檬』です。例の檸檬は、この「二階の硝子窓」を透かして眺めた果物屋で購入されました(*1)。透徹した視線で、世界をよりよく改善する視点を皆さんに届けることができれば嬉しく思います。

【コラムニストの主な略歴】

◉谷本哲也(たにもと・てつや): 内科医。1972年生まれ、鳥取県出身。MRIC Global 編集委員。ナビタスクリニック立川(東京都立川市)、ときわ会常磐病院(福島県いわき市)、 霞クリニック・株式会社エムネス(広島県広島市)、 特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所所属。日本内科学会総合内科専門医日本血液学会専門医・指導医。1997年九州大学医学部卒業後、内科医として宮崎県立宮崎病院、国立がんセンター中央病院、松山赤十字病院、九州大学病院、鳥取大学病院等で勤務。2007~2012年。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)審査専門員。2012年より分野横断的に英文医学誌への掲載を目指す谷本勉強会を開始。その成果を『NEJM(ニューイングランド医学誌)』『JAMA(米国医師会雑誌)』『ランセット』『ネイチャー』等に発表している。

◉尾崎章彦(おざき・あきひこ): 乳腺外科医。1985年生まれ、福岡県出身。MRIC Global 編集長。2010年3月 東京大学医学部後、国保旭中央病院で初期研修。研修医時代に経験した東日本大震災に影響を受けて、2012年4月からは福島県に移住。会津若松市、南相馬市での勤務を経て、2019年7月ときわ会常磐病院乳腺外科。診療の傍ら、震災後の浜通りの住民の健康問題に取り組んでいる。また、製薬企業と医師の金銭関係については、患者目線で問題に取り組むことをモットーとしている。ワセダクロニクルが正式加盟する国際ネットワークGIJN(Global Investigative Journalism Network)主催のアジア大会(2018年、韓国ソウル市)では、‘Investigating Health’ のセッションで「製薬マネーと医師」をテーマにワセダクロニクルとともに共同スピーチをする。

◉齋藤宏章(さいとう・ひろあき): 消化器内科医。1990年生まれ、福岡県出身。仙台厚生病院(宮城県仙台市)に勤務。日本内科学会認定内科医。2015年東京大学医学部卒業後、北見赤十字病院で初期研修。2017年より現職。

◉山本佳奈(やまもと・かな): 内科医。1989年生まれ。滋賀県出身。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバーザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)がある。

ワセダクロニクルのコラムニストに就いた谷本哲也氏(上段左)、尾崎章彦氏(上段右)、齋藤宏章氏(下段左)、山本佳奈氏(下段右)

【脚注】

*1 梶井基次郎「檸檬」『檸檬』角川書店、2017年、9頁。

【参考文献一覧】

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有山輝雄『「中立」新聞の形成』世界思想社、2008年。

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大井眞二・小川浩一・小林義寛・佐幸信介・福田充・山本賢二・宮脇健「2013年版『日本のジャーナリスト調査』を読む : 日本のジャーナリズムの現在」『ジャーナリズム&メディア : 新聞学研究所紀要』(7)、247-279頁、2014年。

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