DNAデータベース「軽犯罪」に偏り、バス釣りの青年は削除求め提訴

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「その他」が最多、「重要犯罪」の6倍超

警察庁が保有している約120万件の「被疑者DNAデータベース」のうち、「殺人」や「強制わいせつ」といった重要犯罪は5万9161件、全体の5%にすぎないーー。

警察庁がワセダクロニクルの情報公開請求で開示した、罪名別の「被疑者DNA型記録登録件数」の文書でわかった。何の罪か具体的に示していない「その他」という項目では「重要犯罪」の6倍超の37万4715件にも及んでいる。「その他」には軽犯罪法違反などの軽微な犯罪が含まれている。

こうしたことから、警察庁が重要犯罪でなくても関係者からDNAを採取し、データベースの蓄積を増やしている実態が見えてきた。

【グラフ】警察庁の文書では、犯罪容疑を「刑法犯」と地方条例などの「特別法規」に分類。さらに刑法犯の中でも「殺人」や「放火」など六つの罪状を「重要犯罪」に位置付けている

「採取自体が違法・違憲」

立ち入り禁止の農業用水河岸でバス釣りをしていて愛知県警津島署に連行され、DNAを採取された内野翔大さん(仮名、20代)は、2019年9月5日、国と愛知県を相手取り、「警察庁が今なおDNA型データなどを保管していること自体、違憲・違法である」などとして名古屋地裁に提訴した。警察庁のDNAデータベースからの削除と慰謝料計300万円を求めた。DNAの採取自体の違憲性を問う。

訴えによると、内野さんは2019年1月3日午後2時ごろ、愛知県あま市森南にある立ち入り禁止の看板がかかった農業用水路で、ブラックバス釣りをしていた。愛知県警津島署に連行されて軽犯罪法違反の疑いで取り調べを受け、DNAを採取された。

内野さんによると、用水路の立ち入り禁止の看板は目に入らなかったといい、DNAを採取される際は、採取を拒否できる旨の説明がなかったという。

その後、内野さんは書類送検されたが、検察側からは連絡がなく、不起訴となったとみられる。

内野さんの代理人である川口創弁護士は5日、名古屋市中区の弁護士事務所で記者会見を開いた。

川口弁護士は「本来、DNAの採取の必要のない軽微なものだった。DNAの採取を目的にしたもので、採取したこと自体が人権侵害にあたる」と話した。

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